葉酸とは?

葉酸はほうれん草の抽出物から見出された水溶性のビタミンB群の一種です。
葉酸はその名称から植物性食品だけに含まれているように思われますが、
動物性食品であるレバーなどにも多く含まれている栄養素です。

妊娠と葉酸の関係


葉酸が妊娠との関係の中で、注目を浴びている理由はきわめて妊娠初期に
葉酸が不足すると、神経系の障害を持つ子供が生まれるリスクが高まるといわれて
いるからです。

2000年からは母子健康手帳にも胎児奇形の発生予防のための葉酸の必要性が
記載されるようになりました。

しかし葉酸は妊婦さんに必要な栄養素として考えがちです。
もちろん妊婦さんはそうでない方よりも多めに葉酸を摂取することを推奨されていますから、
間違いではありません。

しかし、葉酸は妊娠を望む女性たちにも積極的に摂取してほしい栄養素なのです。

葉酸は妊娠してから?妊娠前から?


生物の細胞に存在する核酸、この核酸の成分のひとつが有名なDNA(遺伝物質)です。
このDNAは親から子供へ代々コピーをされて受け継がれていきます。
葉酸はそのDNAが作られるときに働く補酵素で、細胞分裂には不可欠な栄養素です。

つまり葉酸不足は細胞分裂のときにDNAのミスコピーを発生させてしまうリスクがあるのです。

では葉酸が「妊娠初期」に必要というのは何故なのでしょうか?

妊娠初期というのは人間の成長においてもっとも細胞分裂が盛んな時期といえます。
だいたい受胎してから2〜4週間ぐらいまでが細胞分裂の非常に活発な胎児期なのです。
この細胞分裂が活発な胎児期に葉酸が不足すると、無脳症や神経管閉鎖障害による
病気がおこるリスクが高くなるといわれています。

しかし妊娠に気づくころはその時期をすぎていることが通常です。

ほとんどの方は妊娠に気づいて、産婦人科などで葉酸のことを知って栄養管理を始めるのが現状です。

しかし胎児の神経系障害のリスクを低減させるには少なくとも妊娠1ヶ月前からの葉酸摂取
望まれます。
欧米では妊娠に関係なく、将来妊娠をする可能性がある女性たちにも日頃からの葉酸摂取が
推奨されています。
日本では妊婦と授乳期に一般より多めに取ることを推奨されていますが、妊娠を望んでいる方も日頃から
意識して葉酸摂取を心がけて頂きたいと思います。

摂取量


厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2005年版」では成人で1日240μgを推奨量として提示しています。
さらに妊婦では440μg、授乳時で340μgの摂取を推奨量としています。

追記文として「妊娠を計画している女性、または妊娠の可能性がある女性は神経管閉鎖障害のリスク低減
のために
400μg/日の摂取が望まれる」と記載されています。

サプリメント先進国であるアメリカでは妊娠に関係なく成人1日400μgの摂取を推奨しており、パンやシリアル
などに葉酸を取り入れ積極的に摂取するべき栄養素とされています。
日本では葉酸は妊娠との関係が注目されているので女性だけに必要な栄養のように見られがちですが
、貧血予防や動脈硬化予防としての働きのある葉酸は、男女問わずすべての人に意識して摂取してほしい
栄養であることは言うまでもありません。

                    

葉酸を多く含む食品 <食品100gあたり>

植物性食品 

からし菜 310μg
みずかけ菜 240μg
ほうれん草 210μg
ブロッコリー 210μg
グリーンアスパラガス 190μg
いちご 90μg
マンゴー 84μg

動物性食品
※レバー類の大量摂取はビタミンAの過剰摂取の
心配がありますので注意して下さい。

鶏レバー 1300μg
牛レバー 1000μg
豚レバー 810μg

葉酸はビタミンCなどと違い、食品から十分に摂取するのが難しい栄養素です。
また、熱に破壊されやすく、調理による栄養損失が約50%以上といわれています。
さらに食物から摂取する葉酸は吸収されにくいため、1日200〜400μgを食事だけではなかなか補いきれません。
しかしサプリメントの葉酸は食物から摂取する葉酸よりも吸収がよい状態なのです。
そのため普段の食事と併用してサプリメントや強化食品による葉酸摂取が推奨されているのです。

過剰摂取の心配

厚生労働省の基準によれば葉酸摂取の上限は1000μg/日とされています。
しかし調理による栄養損失や吸収がよくないことを考えると通常の食事にサプリメントを利用したとしても
上限を超えることはあまり考えられないでしょう。
また葉酸はビタミンB群のひとつで水溶性のビタミンです。
過剰分は尿の中に排出されてしまうので過剰摂取に対して敏感になる必要性はないようです。